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さくら2010 [日記]

あと、何回、桜を見られるのだろう。
大好きな桜の季節が来るたびに思う。
すごく長生きしたら、あと50回くらい。
そうじゃなかったら、10回かもしれないし、5回かもしれないし、
最後かもしれない。


春、1年分の人の想いを背負って、桜は毎年咲き続けている。


桜の下には、この季節だけ人が集まる。
この季節だけ。
死体が埋まっているわけではなく、その変わりに、
その会社の難しい事情とか、
上司への愚痴や、
後輩への苛立ちや、
同期への嫉妬や、
楽しい歌声や、嬉しい悲鳴が、
毎年毎年、蓄積されていく。


会社に勤めたことのない私は、
自分が場所取りだったり、宴会部長だったりするときのことを想像する。
私ならば、あの桜の木の下にする。
大きな大きな、ブルーシートを広げ、先にひとり寝転ぶ。


そんな妄想力豊かな私は、役者だ。
今日一緒に飲んだ、いつも前向きで素敵なアナウンサーさんに、
どんなことがあってもこの仕事を、一生、続けなさいと言われた。
あなたが花開くのは、年老いてからかもしれない。
だから、続ける続けないを悩んだり、
人生に悩んだりするのではなく、
ただ素敵な年の取り方をするだけでよいから、と。


あと何回、桜を見たら・・・・・・


老いる、とは、しわが深くなるように、
気持ちが深くなることなのだろうか。
それだけなのだろうか。


ひとは、毎年、毎年、老いていく。


次の桜の季節には、あなたにはもう手が届かないかもしれない。
だから、今、
あなたの美しい横顔と、今年の桜を、
一緒に心に刻みました。
ずっと、忘れないために。


新緑の季節も、枯れ葉舞う季節も、
今も、
次の今も、
あなたに逢いたい。
苦しいくらい桜の神様に願う。


もうしばらくすると、桜は今年も散る。
思い残すことなく。
来年、再び、逢うために。
恐れずに。まっすぐに。  つづく


少しだけ歩いてお花見をした。今年の桜も思い出に残った。(独り言)


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