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親と姉弟と家族と [日記]


私は本を読むのが好きだ。
映画を観に行くより、ゲームをするより、
本を読むことが、好き。
好きなお茶を飲みながら、ページをめくっていくことが、
何よりも好きかもしれない。


好きな作家さんはどんどん増えるけど、
最初から好きだった作家さんのひとりだった。


恩田陸。


恩田さんの世界は、すごい。
いろんな色をした世界に連れて行ってくれる。
その中のひとつ、常野物語に生きることができた。


それだけで。


長い真っ黒な髪。
冷たい流し目。
大人びた声。


恩田陸原作の舞台、夢のよう。
少しでも、記実子に近づきたくて、
この公演のために髪の毛を伸ばしてきた。
恩田さんの小説の中の言葉のかけらを探す。


端正な白い顔。
凛とした声。落ち着いた声。
母親のような顔。
のちに、少女の高潔さと大人になりつつある女性の色香とを、
微妙なバランスで持ち合わせた高校生に成長する。
お母さんも美人でさ、休みの日にはみんなで紅茶とか飲んでるんだよ、
とクラスメイトに噂される少女の両親は、その頃、
この世にはいないのだろうか。


毎ステージ、常野の世界で、
光の子供を演じることができ、
本当に幸せだった。
どんなふうに演じようか、わくわくして、
もっともっと記実子になりたくて、
どのステージも違う記実子に進化し続けてしまった。


もう1度、みんなにこの言葉を味わってほしくて、
「光の帝国」の原作の中の、
恩田さんの素敵な言葉をここに書きたい。
この台詞を言えることに、本当に感激した。
役者をやっていてよかった。
すべての出逢いにありがとう。


「僕たちは、光の子供だ。
どこにでも、光はあたる。
光のあたるところには草が生え、風が吹き、
生きとしい生けるものは呼吸する。
それは、どこででも、誰にでもそうだ。
でも、誰かのためにでもないし、誰かのおかげというわけじゃない。
僕たちは、無理やり生まれさせられたのでもなければ、
間違って生まれてきたのでもない。
それは、光があたっているということと同じように、
やがては風が吹き始め、花が実をつけるのと同じように、
そういうふうに、ずっとずっと前から決まっている決まりなのだ。
僕たちは、草に頬ずりし、風に髪をまかせ、
くだものをもいで食べ、星と夜明けを夢見ながらこの世界で暮らそう。
そして、いつかこのまばゆい光の生まれたところに、
みんなで手をつないで帰ろう」


みんなみんな、光の子供だ。
間違って生まれてくることもないし、
誰かのためにでも、おかげでもない。
光があたっているということと同じように前から決まっていることなんだ。
このお祈りの言葉を、ずっとずっと忘れずに、
こころにしまって生きていきたいと思う。


忘れない人がいたら、どんなに幸せでどんなに苦しいだろう。
記実子たちは、人の人生をもまるごと記憶できる力の持ち主。
その人の生きている間の感情もすべて。
自分の感情ですらすべて覚えていることは辛いことなのに、
何人もの人の記憶を、人類が存在した頃からの分すべて、
しまい続けて生きる人々が、この世界のどこかにいたとしたら・・・・・・。


私にはそんな力はもちろんない。
だからこそ、誰かのことを、強く記憶して、
こころにしまって、生きていきたいと思う。


いつも、舞台の上で、
両親役のふたりの笑顔を、かみしめていた。
いつか、笑顔を見られなくなるということ。


いつも、舞台の上で、
弟役の、笑顔を守ろうと思った。
笑顔を助け、笑顔に助けられ。


私にも大切な家族がいる。
幸せな家庭に育った。
守られて幸せに育ったことにより、
女優として、プラスのことはたぶんない。
そんなあまったれたお嬢ちゃんが、
何を舞台の上で表現できるんだ、と言われるだろう。
でも、舞台が好きだという、誰にも負けないエネルギーは持っている。
その私のエネルギーの源は間違いなく家族だろう。


たったひとりの姉が結婚した。
自分のことのように、幸せで、嬉しい。
兄ができた。
ずっとずっとずっと3人姉弟だったので、
まさか兄弟が増えるとは思ってもみなかった。
笑顔を守るために、姉弟で協力して、
生きていきたいと思う。


長い間、「道路交通情報センターの岡内」を応援してくださった皆様、
本当にありがとうございました。
姉に代わってお礼を言わせていただきます。
今月いっぱいは、神村という名前で、
千葉方面の情報を中心に、ラジオに出演しています。
寿退社です。


おねえ、おめでとう。


どこかで、誰かが泣き、
どこかで、誰かが笑う世界。
自分にしまえることは、しっかりしまって、
こころに響かせて、
光があることを忘れずに、
祈りながら、
みんなで助け合って、支え合って、生きていこう。


僕たちは光の子供だから。  つづく


春田記実子ちゃん、すばらしい世界を響かせてくれてありがとう。(独り言)


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