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瑠璃色のこれからの空

「Blue Sky Red Earth」で私が演じさせてもらったのは、
死の淵にいて、そこから自ら身を投げようとしている愛する人、瑠に、手を差し伸べ続ける、璃という役。

この作品をこの時期に一緒にやろうと言ってもらえなかったら、私は今頃、間違いなく舞台女優を辞めていた。
間違いなく。
今、まだ続けようとしているのだから、
こういう気持ちを書いてもあまりいいことはないのだろうけど、
この作品への気持ちを語るには、必要なことなのかなと思うから。
私が何よりも大切にしてきた生きる目的である舞台に立つことを、見失ったときに、手を差し伸べてもらった作品。
本当に大袈裟ではなく、そう決めていた私の心を変えたのは、間違いなくこの作品の存在。
すでに言葉にしていたものをひっくり返すほど、私の気持ちを揺り動かしてくれた。
だから、この作品にはたくさんのたくさんの感謝の気持ちでいっぱい。

脚本を初めて読ませてもらったのは、夏の公演の本番中。
初めての本読みは秋の公演の稽古中。
初めての振り付けは冬の公演の稽古中。
やるって決まったのは、もっともっと前の話。
ずっと、私の心に寄り添っていてくれた。

人に生きたいというエネルギータンクがあるとしたら、ここ数年の私のタンクは、
メモリが増えることなんてあんまりなくて、でも、目の前のやるべきことをまっとうするために、
なんとか、エネルギーを増やしては、少しずつ消費していく日々だった。
だから、今の私に、この役ができるのか、というより、私なんかが演じていいのか、
こんな私がこの作品の持つ強い想いを伝えることができるのか、
こんなにも生きるエネルギーを持った役を私なんかが演じていいのか、
不安に覆い尽くされた鈍色の空の下にいて、怖くて目を瞑ってじっとしていた。

少しずつ、少しずつ、この作品に触れていくうちに、逆に私がこの作品に「生きろ」と言われた。
「生きて」と願う役をやりながら。

今、この公演を終え、魂を込めて踊りきった私の上に広がる空は、とても深い青い色をしている。
瑠と璃に助けられ、瑠璃色に輝く。
大地は、けっして穏やかではなく、これからも赤く燃え続ける。
その中で生きなくてはならない。
自分らしく。
また見えなくなっても、空は、きっと輝くから。

何もないところからのスタート。
この作品のおかげで、私はまたスタートラインに立つことができたから。

踊りながらいろんなものが見えたの。
眩しい景色も、突き刺さるような痛みを伴う景色も。

30年も好きなことを続けてこられた。
ありがとうございます。
またいつか、思いっきり踊りたい。

観に来てくださったみなさん、
観に来られなかったけど応援してくださったみなさん、
本当にありがとうございました。
もう少し、私にもやれることがあるような気がしています。

一緒に作品を作りあげたキャスト、スタッフのみなさん、
そして、この作品の生みの親、大内厚雄先輩、
ありがとう。
もう少し、恩返ししないといけません。

千秋楽のカーテンコール、舞台の上で、だいすきな、すべてのアルコール飲料の中で1番すきなプレミアムモルツを、
ごくごくごくって飲んだ、あの感動はずっと忘れないだろなぁ。
こんな風に生きられてしあわせだぁ~~~~と思った。
最後だから、もっと真面目なことを話そうと思ったけど、
やっぱり笑ってもらうのが、何よりも好きだし、自分も笑っていたいから。
ただのビール大好きな女だけど、それだけじゃないってわかってもらった公演だったかな。
毎日、ビールを飲んでても、動けるんだ。
30代半ばだけど、ちゃんとやるんだ。
ただの飲んだくれではなかったと見直してくれたお客さんがたくさんいたみたいでよかったです。

小さな幸せを探しながら、感じながら、
またゆっくり歩いてみようと思う。
ふっと、今日はプレミアムだなって思えるような。
きっと、いいことがあるような気がする。  つづく

やっぱり踊ることは何よりも楽しいんだなぁー。それは、4歳でも34歳でも変わらない。(独り言)

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