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陸奥と越えた冬 [日記]

やっと春です。
あたたかな春です。


普段は公演が終わるとすぐにここで自分の役とお別れして、
新しい役を迎えるのが私流のやり方で、
それを10年以上続けてきたけど、
近頃の相変わらずの自分の気持ちのぐちゃぐちゃさに、
ここまできちゃった。


そもそも、昨年の冬の公演はいろんな意味で、
冬の公演だったかな。
自分の第一声から始まり、
物語をいかにお客さんに伝えればいいのかの四苦八苦。
手探りで頭がぐちゃぐちゃになりながら、
共演者みんなで一歩一歩進んでいった公演だった。


書けなかった理由のひとつが、
大切な先輩との最後の共演だったから。
私にとって、細見大輔という先輩は、
初めてのヒロインのときの初めての相手役で、
その頃、もっとも近くで、支えてもらった先輩だった。
私にとっての幸吉くんは永遠に細見大輔です。
その時もそうだけど、その前の初めてメインの役をいただいた、
「四月になれば彼女は」という劇団の人気作品の再演で、
細見先輩と、今はその嫁の前田綾先輩と、
大変大きなプレッシャーの中、3人で共に闘ったこともあった。
私にとっての耕平も永遠に細見大輔です。
「裏切り御免!」でねえちゃんを迎えに来た、
細見大輔が1番かっこよかった。
妹としては、のちにふたりが結婚したとき、
大好きなおにいちゃんとおねえちゃんが結婚したみたいで、
本当に嬉しかったのが、つい昨日のことのよう。
初めてのツアーから、ずっと一緒で、
大阪の通天閣に連れて行ってもらったときから、13年。
思い出がありすぎる。


最後に、すごく近くで、
ああだこうだしながら、共に芝居が作れて、
一緒に2時間、舞台上にいられたことを、
心から幸せに思ってる。
間近でみる先輩のその冷静と情熱と大量の汗は最後まで勉強になった。
本当にありがとうございました。
また共演できることを祈って。


セクハラされたらぶん殴る。
責任の取り方は自分なりに考える。
泣き寝入りはしないのさ。
陸奥と共に、歩いた冬は、今思えば、
確実に春につながっていたような気がする。
2時間舞台上にいることで培った持久力、
瞬時に別人の心の声を演じなくてはいけない瞬発力は、
きっと力になったと思う。
恋する乙女の気持ちと、編集者のプライドと、
なんだかぐっちゃぐっちゃな気分だったけど、
得たものはあったわけで。


ラストシーン、主演の西川さんと話し合い、
自分たちだけのストーリーを考えた。
天使の耳を失ったと言っていた三沢社長の言葉の嘘を、
陸奥だけが気付いていたらどうだろうか。
唯一、作品の中で、心の声が描かれなかった陸奥の心の声は、
たぶん、単純でまっすぐだったと思う。
家族には打ち明けられない社長の苦しみもきっと、
陸奥だったら適当に受け止めて、
適当に力になれるんじゃないかな。
それで社長の未来が救われたら、存在価値があるってもんです。


そんなこんなで、
いろいろあった冬でしたが、
もう春です。
持久力と瞬発力と、
何が何でも芝居はお客さまのためのものだという精神を持って、
今、新たな役にチャレンジしている。


陸奥玲子さんへ。
いろいろ大変だったな。
でも、もう春です。
いろんなことに負けるなよ。
ありがとね。  つづく


細見大輔先輩のご活躍を心からお祈りしてます。(独り言)


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